キャプテンストライダム『ベストロリー』SPECIAL PAGE

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永友聖也による全32曲解説DISCOGRAPHY
2004-2010 TV SPOT公開!
ほぼ毎日更新!永友聖也による全32曲解説
DISC-1
マウンテン・ア・ゴーゴー
キャプテンストライダムの原点と言える曲。
仮タイトルは『浅草テクノポリス』
当時リハスタ代わりに使っていた音楽サークルの部室でこの曲をセッションした時、明らかにそれまでとは違う手応えを感じた。
これこそが自分達ならではのサウンドだ、と。
歌詞は、当時のいわゆるギターロックシーンの主流であった叙情性に中指を突き立てるが如く徹底的に無意味でふざけたものにした。
とにかく、何かを破壊したかった。
脱構築こそが新しい価値観に繋がると信じて…
なーんて、全部今だからこじつけられる事であって、要するに何も考えてなかったのだよ。純粋な初期衝動の塊。だぶんそれがこの曲の正体。
でも、だからこそここにキャプテンストライダムの原点があるし、二度とは戻れない場所でもあるのだ。
間違いなくキャプテンストライダムがこれまででいちばん多く演奏した曲であり、これからもずっと唄っていくであろう一曲。
2010.04.01 UP
肉屋の娘
栃木県はさくら市にある、お肉とギターとレコードが並べて売ってある日本一ロックな肉屋『ミートショップこしみず』さんの雰囲気にインスパイアされてできた曲。デビュー前からライブでは重要なレパートリーであり、一曲目に演奏される事も多かった。
キャプテンストライダムの楽曲中唯一ラップに挑戦した曲だが、この部分もともとのアレンジではギターとコーラスだけのいわゆる普通の『間奏』だった。ラップは唄入れの当日に即興で作り上げたもの。
自作の曲にはどれもいわゆるAメロ、Bメロ、サビ、というのとは違う『ここが肝!』みたいな”マイサビ”みたいなものが存在するのだが、この曲は結果このラップパートがマイサビになった。もっと細かく言うと最後の『腹が減るばかりだぜ!』の『だぜ!』のところがマイサビ。
2010.04.02 UP
サンドバッグの夜
『ブッコロリー』収録曲の中で唯一アルバム用に書き下ろした曲。風待レコードのプロデューサーである松本隆さんから『アルバムにはラブソングが一曲必要だよ(というか作れ!)』というアドバイスを貰い、それまで”分かりやすいラブソングは唄わない”というルール(今から思うと単なる照れだった)を持っていた僕は多いに悩んだ。何曲か書いてデモを作ったりしたのだがうまく行かない。自分でもコレという確信が持てない。『これはもうダメかもな』『アルバムは完成しないかもしれないな』『”才能無いから芽が出ない”なんて唄ってるけど、笑えないな』と意気消沈して、とりあえず帰宅するために当時青山のビル内にあったソイツァーミュージックのスタジオから階下に降りるエレベーターに乗っている時にふと『朝から晩まで廊下に立ってよう』というフレーズとメロディが浮かんできた。そこから一気にイメージが広がり、この曲が完成した。
きっとこの曲を書く事が、それまで自分で作り上げた世界で好き勝手に遊んでいたキャプテンストライダムが幼年期の終わりを迎えるきっかけになったのだと思う。松本さんがその背中を押してくれた事に感謝しています。
アレンジに関しては当時何故かキャプテンストライダムのレコーディング現場をよく通りすがっていた久保田光太郎兄貴が素晴らしいアイデアを出してくれ(最後のサビ前のピアノの逆回転音など)、更にレーベルメイトであったneumaの柴理恵さんがコーラスで華を添えてくれた。
2010.04.05 UP
流星オールナイト
結成以来栃木県宇都宮市を拠点に活動していたキャプテンストライダムだが、2004年5月、いよいよ重い腰を上げて上京する事になった。
が、僕は”東京”という街のスピードや空気になかなか馴染めず、早速スランプに陥る。毎日のようにリハスタに集まってはセッションを繰り返すのだが全く決定打が出ない。
仕方ないので、ある日曲作りをサボって渋谷に山下敦弘監督の『リアリズムの宿』を観に出かけた。映画全編に漂う何とも言えないうら寂しい雰囲気とそこはかとないユーモアが当時の自分の心情とピッタリ重なり、映画館を出た瞬間渋谷の風景がいつもと違って見えた。何かとても風通しがよく感じたのだ。そのイメージがキッカケになってこの曲のサビのメロディが生まれた。映画の内容と曲とは直接関係ないのですが。
音楽の事ばかり考えてたらいい音楽なんてできないよな、と気付かされた瞬間だった。
それ以来、曲を作るときはなるべく音楽の事を考えないようにしています。不思議だけれど本当の話。これでいいのだ!
2010.04.06 UP
キミトベ
うーむ。さすがに思い入れの強い曲が続きますな。『マウンテン・ア・ゴーゴー』と並ぶライブの定番曲。
音声を消してテレビをつけっぱなしにしていた時に、ananだかcancanだか実話ナックルズだか分からないけどとにかく何かファッション誌のCMでモデルの女の子達がミラーボールの光を浴びて踊っている映像が流れてきて、それに何だかキュンとして勝手に曲を付けてみようと思ったのがこの曲のモチーフになった。なので曲調は当然ディスコ。
そこに当時何故かやたらとライバル意識を持っていた『マツケンサンバ』的スパイスを振り掛けて完成した。間奏で一瞬サンバのリズムが顔を出すのはその名残である。
歌詞は上京して来てモンモンとしている九州男児(つまり俺です)が主人公。
2010.04.07 UP
悲しみのシミかな
もともとはリハスタでの新曲セッションの際になかなか決定打が出ず(またかよ)、苦し紛れに本当はボツにしようと思っていた曲を演奏してみたところメンバーにえらく評判が良く、結果シングルになった敗者復活的ナンバーである。ホント、とかく曲の善し悪しって作者には見えづらいものなのだ。
2ndアルバム『108DREAMS』には久保田洋司さんと共作した曲が多く含まれているが、これもその中の一曲。歌詞に関しては『悲しい時ほど空が青く見えるもので、それがまた悲しかったり元気づけられたり。この曲ではそんな情景を表現したい』というイメージだけ伝えて全面的に洋司さんに託した。そして、僕の想像していたものとは全く違った角度のアプローチの歌詞が届いた。僕はそれに対して、唄とアウトロのシャウトで応酬した。洋司さんとの共作の中で最も強力な化学反応が起こった曲だと思う。1リスナーとしてとても好きな曲である。
2010.04.08 UP
風船ガム
キャプテンストライダム史上最大の難産を経て生まれた曲。メロディだけでたぶん10パターンぐらいは存在するのではないだろうか。アレンジもバンド、打ち込み、ヘヴィロック、ありとあらゆるパターンを試した。
ようやく曲の方向性が定まり、さて歌詞を仕上げようという段階になっていよいよ行き詰まった。それはもうホントにすっからかん、逆さに振っても鼻血も出まへんわー、と何故か関西弁でボヤく程に。それでもどうにかこうにか歌詞を作ったのだが気に入らず、最終的に風待レコードのプロデューサーである松本隆さんに歌詞を依頼した。翌日(!)届いた歌詞を見て、その完成度に絶句した。はっきり言って悔しかった。
この歌詞に対して俺はボーカルで戦うしかない、と意気込んでレコーディングに臨んだが松本さんの言葉に引っ張られてしまい全然いい唄が唄えない。特に『空色のキス』という部分がまったく空色にならない。
なんか俺の声で唄うと”どどめ色”なんである。
最終的に歌詞カードの上に色鉛筆で言葉からイメージした色を塗り、頭をカラッポにしてその色を見ながら唄った。『空色のキス』の部分に塗った色は夕焼けのオレンジ色だった。
結果的にこの曲を最後にキャプテンストライダムは風待レコードを卒業する事になる。改めて歌詞を読むと松本さんから我々への餞の言葉のようにも思える。
2010.04.09 UP
恋するフレミング
デビュー前から頼みもしないのにやたらとレコーディングスタジオを通りすがり、気付けばバンドの兄貴的存在になっていた久保田光太郎氏と初めて本格的にタッグを組んで制作した曲。
誤解を恐れずに言えば、光太郎さんとの作業はまるで男子高校生の部活の様な趣きであった。毎日待ち合わせては好きな曲を大音量で聴く。
ファミレスのドリンクバーを延々とおかわりしながら歌詞を考える。みんなでスタジオに集合してひたすらセッションする。とにかく全てが楽しかった。ああ青春。
そんな中で再び取り戻した初期衝動に忠実に生まれた曲が『恋するフレミング』である。
サウンドの狙いはズバリAC/DC。僕の世界一好きなロックンロールバンドだ。この曲にはキャプテンストライダムの楽曲の中で最も長いギターソロが登場する。それもまた青春。押忍!
2010.04.12 UP
LONE STAR
光太郎さんを迎えての男子校青春シリーズ第二弾。曲が生まれた動機は実にシンプルで『ドカーンと盛り上がるガツーンと速い曲やろうぜ!』。
バカみたいだが本当なのだから仕方ない。
この曲を演奏する時は梅田のベースも守代司のドラムもギリギリのスピード、俺のボーカルも自分の制御できるキーの限界。
完成したテイクにしても何度も危うい瞬間があるが、それも含めてバンドの表現。同じ様に再現するのは不可能。
今でも聴く度にレコーディングとは”記録”という意味である事を思い出させせられ、胸が熱くなる。
2010.04.13 UP
ケムリマン
特撮ファンとしては何としても一度は『〜マン』というタイトルの曲を作らねばならない、という謎の使命感に突き動かされて作った曲。ゴジラやウルトラマンや仮面ライダーなどの特撮ヒーロー達の持つ、格好よさと背中合わせの孤独にどうしようもなく惹かれるんである。
もう『ケムリマン』というタイトル(他に『パイナポーマン』などが候補であった)が浮かんだ時点で曲が完成した様な気持ちになって、『よかったよかった、あとは曲を作るだけだ』と根拠の無い満足感に浸ったのをよく覚えている。間奏のギターソロも非常に気に入っている。
守代司のフェイバリット・ソングでもある。
2010.04.14 UP
わがままチャック
プロデューサーにSteve Jordanを迎えてのN.Y.レコーディングシリーズ第一弾シングル。
この曲が生まれたのは、当時DVD化されたChuck Berryのドキュメント映画『Hail! Hail! Rock 'N' Roll』に感銘を受けたのがきっかけ。
『チャックめ、なんてわがままな男なんだ!』そして『なんてロックンロールな男なんだ!』と。それでタイトルが『わがままチャック』になったんです。初めてカミングアウトしますが。
歌詞はサラリーマン時代の恨みつらみやモヤモヤを思い出しつつ書いた。その当時は辛くて仕方なかったのだが、こうして楽曲として昇華できて、つくづく人生嫌な事も含めて無駄な事は何ひとつ無いんだな、と改めて思う。当時の同僚の皆さん、もしこれ読んでたらすいません。
今となっては貴重な経験をさせて貰ったと思っています。
2010.04.15 UP
人間ナニモノ!?
N.Y.レコーディングが決まり、興奮と緊張が入り交じる中『どうせならメリケン野郎をぶっ飛ばす様なジャパニーズロックをぶちかましてやろ
うぜ!』という意気込みのもとに作られたアドレナリン全開の一曲。
そんな訳で歌詞の世界観も実にストレート。
Steve Jordanを筆頭とするN.Y.チームに喧嘩を売る勢いで鼻息も荒くレコーディングに臨んだが、彼らのスタンスははいたってナチュラルでピースフル。『どんな環境だってどんな言語だって、いい楽曲をいい音で鳴らせればオールOK!』それまでの自分の視野の狭さを思い知らされた。
この曲のレコーディングは”音楽は国境を越える”という事実を皮膚感覚で知る事ができた体験であり、自分の音楽人生に置いても重要なターニングポイントとなった。
サウンド的には守代司とSteveの炸裂するツインドラムが聴きどころ(左から守代司、右からSteve)
2010.04.16 UP
CHERRY BOY
N.Y.レコーディングによるCHERRY BOY(=童貞)のどうにも止まらないリビドーを全力で表現した一曲。歌詞に関しても意味よりも迸る激情を重視した。
この曲のボーカル、実は仮歌が採用されています。ベーシックのトラックを録り終えた後、『本気の歌を取る前にとりあえずガイド用に一回唄っとこうか』というSteveの提案により勢いでテキトーに唄ったものがそのままOKテイクとして採用された。しかし、これは恐ろしく曲の本質を突いたアプローチだと思う。策士なり、SteveJordan。
サウンドイメージは”The Offspringに乱入した寺内タケシ”
2010.04.19 UP
ブギーナイト・フィーバー
活動休止前最後のシングル。テーマは『ディスコ』音声をミュートしてYou Tubeでディスコで踊り狂う’70年代の若者の映像を見ながら作りあげた。時代が変わってもサウンドの流行り廃りがあっても、きっとその刹那な感情は不変なんだろう。その”変わりゆくもの”と”変わらないもの”を切り取って見せるのがロックバンドなんだと思う。
歌詞は初のメンバー3人による共作。あまり細部を決め込まずにメンバー各々が書いた歌詞を持ち寄り、面白いフレーズをコラージュしていくという”言葉のサンプリング”的手法で完成させた。
2010.04.20 UP
東京ジャンボ☆ディスコ2010
4thアルバム『音楽には希望がある』収録曲のアナザーバージョン。
アレンジ、演奏、ボーカル全てアルバムとは全く違うテイク。
アルバムバージョンに比べてより低音及びリズムを強調した仕上がりになっている。コード進行も若干異なる。
同じ楽曲でここまで違うか!というアレンジの妙をぜひ楽しんでいただきたい。
プロデューサーはJUJU、青山テルマ女史などを手がけている鬼才Jeff Miyahara氏。
2010.04.21 UP
泣いていいのさ
今回『ベストロリー』を制作するにあたり新たにレコーディングされた新曲。区切りのレコーディングにあたりいくつかの候補曲があったのだが、その中からメンバー全員一致で最もストレートな歌詞とサウンドを持つこの曲を選んだ。
活動休止を決めた後、レコーディングに備えて久しぶりにメンバー3人でリハスタに入りこの曲を演奏した時、最初の一回から何も言う事が無くて思わず笑ってしまった。キャプテンストライダム最高じゃん、と。
よっぽど活動休止を撤回しようかと思ったもん。
しかし、だからこそ今は次にこの3人で音を鳴らす日を楽しみにしつつメンバーがそれぞれが精進する季節なのだ。この3人で鳴らす音が一番好きなのはメンバー自身がよく分かっている。
思えば『泣いていいのさ』は、キャプテンストライダムを結成してから初めて自分自身に宛てて書いた楽曲なのかもしれない。
2010.04.22 UP
DISC-2
ねずみのブルース
宇都宮時代、東京に遊びに出かけた時に上野で見かけたホームレスのおじさんに強烈に”ブルース”を感じてしまった。

正直に言ってそのおじさんに対して自分が何かをするべきなのか、放っておくべきなのか、そのおじさんが不幸なのか、幸せなのかもまるで解らず、いてもたってもいられなくなってこの曲を作った。

”勝ち組”とか”負け組”とか、”有り”とか”無し”みたいな人生の分類の仕方が死ぬほど嫌いで、その枠組みからはみ出さざるを得ない生き方をしている人達に対する僕なりの人生讃歌である。
2010.04.01 UP
ノーテンフラワー
小学生時代の初恋の女の子であるNちゃんとは、毎日のように待ち合わせては一緒に下校していた。同級生からは囃されたりもしたが全く気にしていなかった。Nちゃんがお嫁さんになってくれたらいいな、と思っていた。

小学校3年生のある日、Nちゃんは違う学校に転校した。もちろん寂しかったが、そこは小学生の単純さで僕はそれ以来男の子の友達と遊んで楽しく過ごしていた。

時は流れて、キャプテンストライダムが東京でライブをやる様になったある日、僕は観客の中にNちゃんの姿を見つけた。声をかける事はできなかった。

ライブが終わり、僕は家に帰ってこの曲を書いた。
2010.04.02 UP
あとの祭り
宇都宮に住んでいた頃、仕事が終わって帰宅する時間の産業道路は毎日大渋滞していた。空いていれば15分ほどで通り抜けられる道を1時間近くかけて帰る道中、無数に連なる車のブレーキランプを眺めながら作った曲。

僕はなんだか渋滞している道路が好きで、車のライトを見ながらそれぞれの車に人生があるんだなー、とか同じ道を抜けてみんなそれぞれの家に帰って行くんだなー、などとしみじみしていてはよくクラクションを鳴らされたものです。

サウンドはDerek & The Dominosの様な”イギリス経由のサザンロック”を目指した。プロデューサーの大平太一さんが『俺はスライド苦手なんだよ』としぶりながらも弾いてくれたスライドギターが素晴らしくいい味。
2010.04.05 UP
夏のカケラ
2005年の渋谷クアトロのワンマンライブ当日の朝、降ってくる様にこの曲のメロディと歌詞が浮かんできて、それをそのままノートに書きとめてアンコールで披露した。
そんな訳で全く悩んだりひねったりする事無く完成した曲なので歌詞の内容も極めてパーソナルな手紙の様な内容で、聴いてもらえばすぐわかると思うが要するに僕は当時遠距離恋愛をしていた訳ですね。

淡く儚い感情を表現するべく、コーラスは全編私永友のひとり多重録音で完成させた。最大8ナガトモぐらいが同時に聴こえてくるが、あまりその画を思い浮かべずに聴いていただきたい。

楽曲、アレンジともに個人的にお気に入りの一曲。
2010.04.06 UP
北京原人
初の梅田啓介作詞作曲によるナンバー。梅田らしさが遺憾なく発揮されたファンクディスコ。こういうリズムで押しまくるタイプの曲はベーシストならではの発想だと思う。

その勢いをそのまま記録するために、ボーカルも含めてベーシックは『せーの!』の一発録り。スタジオでライブさながらに白熱したセッションが繰り広げられた。

子孫の繁栄をテーマにした歌詞は梅田の実体験を元に書かれたようだが、真相は定かでない。
2010.04.07 UP
おばけナイターのテーマ-SHINJUKU JAM LIVE-
アマチュア時代から続けて来た自主企画イベント『おばけナイター』のため書き下ろした曲。

敬愛する水木しげる先生のマンガの世界観、特に”死”に関するテーマを音楽で表現することにチャレンジした。

死んだ後どうなるかなんて事は生きている間は誰にもわからないが、どうしても”死”のイメージにとらわれてしまう時間というのはある訳で、うーん、どうしたものかとずっと考えあぐねているのだが、おそらく”転生”というものがあるとすればそれは物質的な形ではなくて生きている人の頭の中に死者の魂が宿るんではないかと思う。えっ…と、別に変な宗教とかにハマってる訳ではないから御心配なく。

まあそんな理屈抜きに、ライブで演奏していて熱くなる曲。それにしてもこのライブバージョンの演奏、若いっす。
2010.04.08 UP
ヤルキレス-Live at SHIBUYA-AX-
この曲はサークル時代の後輩であった『エキカチッソ』という女子3人組バンドに唄って貰うつもりだった。(ちなみにドラマーはキャプテンストライダム元マネージャーのハレンチ女史)

個人的に、女の子が『僕』という一人称で唄うのがたまらなくグッとくる(というか萌える)んだが、そんな訳で当然この曲の一人称は『僕』。
そんなセクハラまがいの動機で作った曲ではある。

しかし試しにキャプテンストライダムで演奏してみたところ思いのほか感触がよかったのでそのまま自分達のレパートリーとして定着してしまった。

今でもこの曲は女の子に唄って貰いたいと思っている。誰か唄ってくれませんか。
2010.04.09 UP
舟-Live at SHIMOKITAZAWA CLUB QUE 2004.12.04-
'99年のRISING ROCK FES.に向かうフェリーのデッキで真夜中の海を眺めながら作った曲。録音手段が無かったためフェリーの公衆電話から自宅のに電話をかけ、留守電に吹き込んだ。

この様に、僕は基本的に楽器を持っていない時に曲のアイデアがひらめく事が多く、結構困る。もし街で携帯電話に向かって♪ふふふ〜んと鼻歌を唄っている僕を見かけてもそっとしておいてください

サウンドイメージは”イカ釣り漁船に乗ったニール・ヤング”

アマチュア時代はよくライブのラストに演奏していた。
2010.04.12 UP
犬の生活-Live at LIQUIDROOM 2006.09.23-
で、これは楽器を持たないどころか作曲した記憶すら定かでない曲。
泥酔してギターを弾きながら眠ってしまったところ、翌日の朝テープレコーダーにこの曲が吹き込んであった。

酔っぱらってあらわになった深層心理が赤裸々に覗ける歌詞なのではないだろうか。一度カウンセリングしていただきたい。『うーん、ドMですね』の一言で片付けられそうだが。

このライブバージョンではアクセルブラスの面々によるファンキーかつ妖しげなブラスアレンジも聴き所。
2010.04.13 UP
GOOD HARVEST-Live at SHIBUKO 2007.03.18-
Led Zeppelin的ハードロックサウンドに乗せて、稲作が始まった弥生時代の農民達へのリスペクトを唄いあげた意欲作。ドラムのズンドコしたリズムは鍬をふるう動作を表現している。
自然や生命などの人間の力ではどうしようもない大きな存在に対する原始的な”畏れ”の感情は絶対に忘れてはならないものだ。そこから自ずと”祈り”の気持ちが生まれ、そして音楽はそれと密接に関わっているものだと思う。

ライブバージョンは、思い出深い渋谷公会堂ライブ『BIG BAN』での演奏。
2010.04.14 UP
SHOOT TO THRILL

僕が世界一好きなロックンロールバンド、AC/DC(先日の来日公演も最高でした)のライブ定番曲のカバー。

AC/DCの持つ突き抜けた楽しさをキャプテンストライダム流に解釈して盆踊り風にアレンジした。

AC/DCの魅力は何と言っても30年以上不変のそのスタイルだ。

50代半ばになってもスクールボーイスタイルで激しくギターを弾きまくるアンガス・ヤングを見ていると、ロックンロールを聴いている間は子供に戻れるんだよ、と言ってくれている様で泣けてくる。

2010.04.15 UP
ペケペケ
ユニコーン初期の名曲のカバー。

中学生の頃よく給食の時間に校内放送でこの曲ががかかっていて、当初は『ヘンな曲だなー』と思っていたが、何度も耳にするうちに気付けばいつの間にか大好きになっていた。

実際カバーしてみた感想は『やっぱりヘンな曲だなー』。そしてそれまで以上にこの曲が好きなになった。

梅田と守代司が初のメインボーカルに挑戦した曲でもある。

レコーディングの時、男二人が若干緊張した面持ちで一枚の歌詞カードを覗き込みながら懸命に譜割りを確認している姿がやけに印象に残っている。
2010.04.16 UP
SURRENDER
CHEAP TRICK1978年のヒット曲のカバー。

'06年頃のキャプテンストライダムのライブでは、よくこの曲が収録されたアルバム『Heaven Tonight』を開演前のBGMとして流していた。

メロディもコード進行も極めてシンプルながらキャッチーでコーラスもバッチリ、しかも曲の構成はさりげなく凝っている、というポップロックバンドのお手本の様な曲で、カバーするにあたっては原曲に忠実ないわゆる『完コピ』を目指した。

こういう曲をバンドで演奏するのは実に楽しい。
2010.04.19 UP
Shangri-La
電気グルーヴ1997年のヒット曲のカバー。

'08年の『明日に向かって踊れ!』ツアーではツアータイトルの”踊れ”にちなんで何かディスコヒットのカバーを演ろうという事になり、我々アラサー世代にとってのディスコソング、心のベストテン第一位はこの曲!という訳で選びました。

ライブでの感触が非常に良かったので、ツアー終了後すぐにレコーディング。

その年の年末のフェスで電気グルーヴと一緒になった時に石野卓球さんに『あのー、僕ら、勝手に”Shangri-La”カバーさせて頂きました』と事後報告したところ、満面の笑みで『いいよいいよー。カバー大好き。自分で働かなくてもお金が入ってくるからさー』とおっしゃっていました。『他にもいい曲たくさんあるよー』とも。素敵な大人です。
2010.04.20 UP
東京ジャンボ☆ディスコ2010
4thアルバム『音楽には希望がある』収録曲のアナザーバージョン。
アレンジ、演奏、ボーカル全てアルバムとは全く違うテイク。
アルバムバージョンに比べてより低音及びリズムを強調した仕上がりになっている。コード進行も若干異なる。
同じ楽曲でここまで違うか!というアレンジの妙をぜひ楽しんでいただきたい。
プロデューサーはJUJU、青山テルマ女史などを手がけている鬼才Jeff Miyahara氏。
2010.04.21 UP
泣いていいのさ
今回『ベストロリー』を制作するにあたり新たにレコーディングされた新曲。区切りのレコーディングにあたりいくつかの候補曲があったのだが、その中からメンバー全員一致で最もストレートな歌詞とサウンドを持つこの曲を選んだ。
活動休止を決めた後、レコーディングに備えて久しぶりにメンバー3人でリハスタに入りこの曲を演奏した時、最初の一回から何も言う事が無くて思わず笑ってしまった。キャプテンストライダム最高じゃん、と。
よっぽど活動休止を撤回しようかと思ったもん。
しかし、だからこそ今は次にこの3人で音を鳴らす日を楽しみにしつつメンバーがそれぞれが精進する季節なのだ。この3人で鳴らす音が一番好きなのはメンバー自身がよく分かっている。
思えば『泣いていいのさ』は、キャプテンストライダムを結成してから初めて自分自身に宛てて書いた楽曲なのかもしれない。
2010.04.22 UP